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株式投資

【アキュセラの再来】サンバイオは、何故多くの被害者を出してしまったのか

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何故、もっと早く逃げられなかったのだろう…

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しまきです。

サンバイオが3日連続ストップ安となり

いまだに売れないホルダーが多く、来週もストップ安が続くのではないかと、

そのような見方が大勢を占めています。

私自身も、かつてアキュセラショックで辛い思いをした事がありましたので、

いつ売り抜けられるか分からない不安や絶望感は痛いほど分かります。

売り抜けるまでの間、都度必ずこういった考えが浮かんできました。

「何故、こうなる前にどこかで売り抜けられなかったんだろう…」

サンバイオについても、おそらくそう考えた方も少なくないかもしれません。

「途中どこかで売れれば、大金を出来ていたはずなのに、なぜ売らなかったのか」

分かっていても売らなかったのは何故なのか、

そしてアキュセラや、サンバイオでなぜこんなにも多くの人が逃げ遅れてしまったのかについて、

今回振り返ってみたいと思います。

バイオ株の魔力

今回のサンバイオをはじめとするバイオベンチャー企業は、一種のギャンブル性を持ち合わせています。

バイオベンチャーの多くはスタッフや資本金はそれほど大きくないため、

体力のある大手製薬企業との共同開発により支援を受けています。

失敗すれば会社自体が吹き飛ぶ事もザラではありません。

一方で、画期的な新薬を開発することに成功すれば、一気に莫大な利益をものにすることができます。

ギリアド・サイエンシズ

成功例としては、アメリカの「ギリアド・サイエンシズ」が挙げられます。

古くはインフルエンザ薬「タミフル」や、最近ではC型肝炎「ソバルティ」「ハーボニー」を開発し、

現在時価総額10兆円、世界一のバイオ企業にのしあがりました。

日本でもバイオドリームを!

もちろん、日本国内でもバイオベンチャーは多く、

現在では500社以上存在すると言われています。

その中でも、今回のサンバイオは再生医薬の分野において、

脳梗塞や外傷性脳損傷と言った、非常にニーズの高い症状に対して、

開発や臨床試験を進めており、株式市場でも注目されておりました。

臨床試験成功が市場に火を付ける

バイオ株は、当たれば一気に株価が跳ね上がります。

正式な承認となれば、株価は青天井。

途中段階であっても、臨床試験のフェーズごとの成功IRが出れば、翌日ストップ高になる事はざらです。

サンバイオの臨床試験成功

今回のサンバイオで言えば、昨年11月に「SB623」の薬効のうち、

外傷性脳損傷における臨床試験フェーズ2が成功し、3日連続ストップ高、その後も株価は伸び

IR発表から株価は3倍の価格になりました。

サンバイオの株価が「三倍よ」と、下らない駄洒落が言いたくなるくらい、

市場から注目されるようになりました。

一寸先は闇

さて、今回のサンバイオが開発を進めている「SB623」は、外傷性脳損傷だけでなく、

脳梗塞についても並行して臨床試験を進めていました。

どちらかと言えば、脳梗塞の方が患者数も多く、こちらの承認も得られれば、

新薬の価値は益々高まるばかりでした。

両方の成功確率は高いと思われていた

脳梗塞と外傷性脳損傷。

どちらも脳機能に関する薬効でしたので、単純な話ですが

「脳の外傷を治せるなら、脳梗塞だって治せるだろう」

といった、楽観的な見方が多かったように思われます。

外傷性脳損傷よりもニーズが高い、脳梗塞のフェーズ2b臨床試験も成功すれば更に株価は跳ね上がる!

だから公表前の今が買いだ!

と思った方もいらっしゃったのではないでしょうか。

下方修正などモノともしない力強さ

実際、サンバイオショックが起こる直前の、1月28日に19年1月期の連結業績予想を下方修正し、翌29日の寄りは安値からスタートしました。

しかしその後回復し、終わりはプラス510円と大幅高となりました。

つまり、下方修正といったネガティブなニュースがあろうとも、

この後控えている脳梗塞のフェーズ2bが成功し、更なる高値を見込めると考えた方が多かったと言えるのではないでしょうか。

Xデーは予想よりも早くやってきた

さて、このフェーズ2bの試験結果については、実は今年2019年の2月から7月の間と公表されていました。

なので、成功失敗に限らず、公表される2月より前に売り抜ければ安全に稼げると考えていた方もいらっしゃったかもしれません。

しかし、その公表は2月を迎える前にやってくるのでした。

それは1月29日の夕方。まさに、下方修正をモノともせず、高値引けした直後の事でした。

おそらく、ホルダーにとっては青天の霹靂だったと思います。

2月を迎える前の、まさかのニュースでした。

アキュセラでも同じ事が起こっていた

実は、何かと今回の件で比較されるアキュセラ(現・窪田製薬)でも、同様の事が起こっていました。

アキュセラについては、当時ホルダーでしたので、その時の事は明確に覚えています。

アキュセラの加齢黄斑変性薬「エミクススタト」のフェーズ2b/3臨床試験でも、

当初結果の公表は2016年の6月予定でしたが、

実際に未達成の公表があったのはその前週、5月26日の早朝でした。

ちなみにその直前の動きは、

5月の間は4000円台から、一気に7000円まで上昇。

前日25日は謎の急落がありました。

この不自然な動きに対して、関係者へのインサイダーの疑いが掛けられました。(結果は闇の中です…)

成功を信じて疑わなかった

正直なところ、25日の急落は恣意的なものを感じながらも、

私はホルダーのふるい落としの為、大口が仕掛けた事だと誤認をしていました。

その根底には、

『エミクススタトは成功する』

といった、根も葉もない自信が影響していました。

直前に、アキュセラのドキュメンタリーなんかもやっていたので、

感情移入してしまったんでしょうね。

まさに『銘柄に惚れるな』でした。

実は、5月最終日に売り抜けも考えていた。

とは言ったものの、実は私自身もその時100%自信があった訳ではありませんでした。

バイオですから、失敗する可能性もある。

だから、公表される6月に入る前に売り抜けしよう。

そういった事も選択肢として考えていました。

2000円台で取得していたので、6000~7000円で売れば充分利が乗っていたので。

しかし、結果として予想よりも早くXデーはやってきて、逃げられない無限地獄へと引き摺りこまれてしまうのでした…

バイオ株に緊急地震速報はない

まとめに入りますが、アキュセラ、そしてサンバイオで、

これほどの被害者を出してしまった理由は下記の2つでは無いかと考えます。

■新薬の成功に対して、楽観的なホルダーが多かった

■公表予定日よりも早かった失敗IRにより、多くのホルダーが逃げ遅れた

特に2番目の失敗IRについては、前触れもなく突然やってきます。

それこそ、緊急地震速報のように何かしらの予兆があれば、もう少し先に逃げられた人もいたでしょう。

(その予兆の段階で、既にパニックは起こっていたかもしれませんが…)

しかしその予兆がなく、更に予定よりも早い発表だと、逃げるのは至難の業でしょう。

教訓として

『バイオ株は、初心者は触らない方が良い』

昔から良く言われる事ですが、改めて今回のサンバイオショックでこの事を痛感しました。

とはいえ、おそらくまた日が立てば、バイオ株の株価に魅力を感じ、参入したくなる事もあるでしょう。

その時は、是非以下の事を改めて徹底して欲しいと思います。

バイオ株は、無くなっても大丈夫な資金で買う

今回の件で借金や追証の被害を受けている方も多数いらっしゃいます。

それは、裏を返すとリスクの高い勝負をかけていた事になります。

最悪0になってもいい資金での保有が望ましいでしょう。

自分の中で、予め売値やルールを決めておく

余剰資金での勝負もさることながら、

きちんとした売買ルールが、バイオ株の場合、特に必要と感じました。

「新薬承認まで、何があってもガチホールドし続けるのか?」

「値幅を取るために、なるべく無理の無いところで売り抜けるのか?」

余剰資金なら、ガチホールドでも良いでしょうが、

そうでない場合は、厳格にルールを定めて、ある程度利が乗った段階で売り抜けるのが良いでしょう。

臨床試験の公表も、失敗の場合は前倒しで発表される事を見越し、せめて1ヶ月前には売り抜けた方が堅実だと考えます。

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