男はまたノートを開く。
取り敢えず、先日考えた収支をベースに毎月返済を進めるが、
順調に進んだとしても、果たして何年で完済できるのか計算してみる事にした。
返済計画
月返済21万円 × 12ヶ月 = 年間250万円
一方、返済額のうち利息は月10万円なので
月利息10万円 × 12ヶ月 = 年間120万円
差額は年間で130万円。
年々返済とともに利息額が減っていく事を考えても、
完済までに約10年は掛かってしまう
順調に進んだとしても、このままの計画ではあと10年借金に苦しめられる。
そして完済できたとしても、手元には何も残っていない。
親はどんどん年を取り、結婚相手もいない。
その頃には自身の健康問題や介護問題も出てくるだろう。
仕事も会社も10年後も安定した収入を保証してくれるかなど分からない。
はっきり言って、このままでは単なる延命措置にすぎないのだ。
それに予想外のトラブルが発生すればそれこそ絶体絶命だ。
「この計画は最低限中の最低限なんだな」
やはり、ここから収入を更に増やす方法を考えていくしかない。
「何とかあと5年で決着をつけたい」
立ち止まっている暇なんてないのだ。
男はゴール地点をもっと手前に引き寄せる事を心に誓った。