しまきです。
投機から投資へ。
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26日、株主総会動画がアップされました
以前より、シンバイオ製薬に関する記事やツイートをアップしてきました。
とはいえ、実はこの会社について知らない部分も多く、どこかできちんと調べようと思っていました。
そんな中、ちょうど一昨日の26日に株主総会が行われ動画がホームページにアップロードされたので、
この週末、勉強の為にと一通り動画を見ていました。
今回の株主総会の動画は、内容がわかりやすく、
シンバイオが現在どのような戦略で動いており、今後どんな事が期待されるのか、自分の中で整理する事ができました。
内容としては、既にIR等でアナウンスされている物が殆どですが、
この会社の持つポテンシャルを知る上で、是非ともホームページ上にアップされている株主総会の動画を見て頂けたらと思います。
個人的に注目した4つのポイント
トレアキシン RTD製剤発売による独占販売期間の延長
シンバイオ製薬は、トレアキシンについて2021年度の第1四半期に、
従来の凍結乾燥製剤に代わるRTD製剤を発売する予定です。
シンバイオ製薬のトレアキシン
— しまき💰株初心者 (@simaki1400) March 25, 2021
従来のFD製剤(凍結乾燥製剤)から
RTD製剤に切替える事で看護師の負担が軽減(今年1月にIR)
更に今後発売予定のRI製剤では患者への投与時間が1/6に!
RTD製剤は2021年第1四半期の発売予定
RI製剤は2022年上半期の発売https://t.co/Klr0VUKSDz pic.twitter.com/0w8b5cSh1H
あっ、ちなみにRTDって麻雀のコレじゃないですよ。
RTD製剤の登場により、医療現場での負荷が減り保存期間も少し伸びる事から、
医療従事者からの発売に対する期待の声も大きいようです。
このRTD製剤により、トレアキシンの現場ニーズはより高まり、売上拡大に繋がる事と思われますが、
その他にももう一つ、シンバイオ製薬にとって大きなメリットがあります。
それが、独占販売期間の延長です。
新薬の場合、特許の期間は出願から20年間と定められています。
出願してから当然、具体的な開発や治験、承認審査等長い期間を要します。
この為、実際に発売出来るのは出願から10〜15年が一般的です。
そうなると、新薬を上市して独占的に販売できる期間は5〜10年間しかありません。
そして特許が切れてしまうと、他の後発品メーカーがジェネリック医薬品(バイオ製剤の場合は、類似のバイオシミラー医薬品)を販売します。
この為、例え画期的な薬であったとしても長い間利益を確保する事が難しいのです。
しかし、今回シンバイオ製薬がトレアキシンで、従来の凍結乾燥製剤から、RTD製剤を新たに発売することによって、特許期間が2031年まで延長されます。
新薬の特許は、剤形(薬の形)等を変える事で特許を延長する事が可能なんですね。
これにより、自社販売に切り替わったあとも10年間は、独占的に売上や利益を確保する事が可能なんですね。
逆にこの期間延長が無かったら、せっかく自社販売が出来ることになったのに、
他のメーカーに真似されて、トレアキシンの旨味が減ってしまう事態に陥っていた訳です。
シンバイオ製薬は、この辺り上手く考えて戦略を立てられているなと思いますね。
3/29、承認申請のIR出ましたね☺️
トレアキシンBR療法承認による、他製剤との併用利用での市場規模拡大
トレアキシンとは、簡単に言うと血液のがんなどに対する抗がん剤になります。
抗がん剤というのは、単独で使う場合もあれば他の製剤と併用して用いられる事もあります。
先日、下記のIRが出た事で、一気に株価が上昇しました。
シンバイオ
— キイロ@株🔥初動狙いGIRL🔥 (@yellow_kabu) March 23, 2021
再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象としたトレアキシン®とリツキシマブ併用療法に関する承認取得のお知らせ pic.twitter.com/2FqjbZELT0
リツキシマブとは、抗がん剤の名前です。
このリツキシマブの先発医薬品、リツキサンは、世界で売上トップ10に入る程の超ドル箱医薬品です。
リツキシマブは、様々ながん治療で使用されていますが、
「びまん性大細胞型b細胞リンパ腫」という悪性リンパ腫への治療に、
このリツキシマブと併用して、トレアキシンを使う事が国で承認されました。
他にも、つい先日承認された中外製薬のポライビー(ポラツズマブ ベドチン)との併用も承認され、
トレアキシン使用のさらなる拡大が期待されます。
株主総会の動画では、2021年の下期には、市場倍増の話も出ておりました。
トレアキシンに次ぐ、新しい開発薬の存在
上記のようにシンバイオ製薬は、トレアキシンというドル箱製剤の、2031年までの独占的な自社販売や、
他製剤との併用による市場拡大実現により、
売上や利益の地盤を固める事が出来たと言えるのではないでしょうか。
ただこの会社は、トレアキシンが全てではありません。
現在、主に2つの新薬を開発中しています。
1つは、ブリンシドフォビルです。
これは、抗ウイルス薬です。
様々な症状に対しての治療薬として期待されており、
まず初めにアデノウイルスの治療薬として治験が進んでおります。
この開発において注目したいポイントは、
様々なポテンシャルを秘めた薬であることもありますが、
グローバルに開発を行っている事も挙げられます。
もしこのブリンシドフォビルが成功すれば、海外の市場でもシンバイオの新薬が使われる事となり、
ビジネスチャンスが更に拡大されます。
もう1つは、リゴセルチブです。
こちらは抗がん剤です。
現在第Ⅲ相まで治験が進んでいますが、
実は去年効果が無いと発表され、一度コケており、追加解析による再チャレンジを行っています。
もし、この再チャレンジが不発に終わった場合は、一旦大きく売られるかもしれないので、ここは注意が必要かなと思います。
株主総会の動画を見る限り、シンバイオとしては、ブリンシドフォビルに大きな期待を寄せているように感じました。
今後も、嬉しいIRが続くかもしれませんね。
自社製造に向けた動き
製薬メーカーは、全て自社で薬を製造している訳ではありません。
シンバイオ製薬も自社でトレアキシンを製造しておらず、他の製薬メーカーに受託製造を依頼しています。
ですが、シンバイオは動画の中で将来的には自社製造を目指すと発表しています。
動画の中で、この背景に、高品質と安定供給の実現があると述べられていました。
また動画では述べられていませんが、自社製造により利益率の向上が見込まれますので、
自社工場の建設、もしくは製薬会社の工場買収など、今後新たなIRが出るかもしれませんね。
まとめ
上記を簡単にまとめると、現在のシンバイオ製薬には以下の強みがあると言えます。
◎ドル箱医薬品を、より長く販売出来る事で安定した利益が見込める(黒字化の根拠)
◎他の抗がん剤と一緒に使えるようになった為、従来からの売上倍増が期待される(黒字化の根拠)
◯新たな医薬品が承認されれば、更なる売上拡大が見込める
◯今後グローバル展開が上手く行けば、更なる売上拡大が見込める
◯現在は委託製造だが、自社製造が実現すれば、品質や利益率向上に繫がる
先日、東証より上場廃止のニュースが流れシンバイオのホルダーはパニックに陥りましたが、
冷静にこの会社の事を調べれば、赤字により上場廃止となる可能性が極めて低いことが容易に想像できます。
(もちろん、何が起こるか分からない世の中ですから断言はできませんが)
興味のある方、また既にホルダーとなった方は、
一度今回の株主総会動画を見てみてはどうでしょうか?